解析を始める前に、つまずかないための土台をつくる
← 動画でワークフロー 一覧へ「論文に書いてあるツールを動かしてみよう」と思ったのに、インストールの時点で止まってしまう。バイオインフォマティクスを始めるとき、いちばん多い挫折はここです。多くの解析ツールは Linux 環境を前提にしていて、Windows や Mac でそのまま動くとは限りません。このワークフローは、解析そのものではなく「解析を始められる状態をつくる」ことだけに集中した5本です。ここを越えれば、他のワークフローの選択肢が一気に広がります。
ワークフロー
公開から年数が経っている動画です。ツールの画面や手順が現行版と異なる場合があります(更新予定)。
WSL2
バイオインフォマティクスのツールの多くは Linux 前提で書かれています。かつては別マシンを用意するか仮想マシンを立てるしかありませんでしたが、いまは WSL2(Windows Subsystem for Linux 2)を使えば Windows の中に Linux 環境を同居させられます。この動画は4分ほど。まずここを通しておくと、以降「Linux でしか動かない」という理由で諦める場面がなくなります。
Docker
ツールを入れるたびに依存関係が衝突し、あるツールを入れたら別のツールが壊れる——これもよくある話です。Docker はツールとその動作環境をまるごと箱に閉じ込める仕組みで、この問題を構造的に解決します。作者が用意した箱をそのまま動かせるので、インストール作業自体が不要になることも多い。WSL2 と組み合わせて Python 環境をつくるところまでを扱います。
Anaconda
Docker ほど大掛かりでなくてよい場面もあります。Python のライブラリだけを解析ごとに分けたいなら、Anaconda の仮想環境が手軽です。「この解析には古いバージョンのライブラリが必要」という要求にも、環境を分けておけば応えられます。ステップ2の Docker と使い分けの感覚を持っておくと、無駄に重い構成を選ばずに済みます。
Git / GitHub
環境が整うと、次はコードが増えていきます。Git はコードの変更履歴を記録する仕組みで、GitHub はそれを共有する場所です。いつ何を変えたかが残るので、「動いていた頃に戻す」ができるようになります。この動画では WSL2 上のリポジトリと GitHub を SSH 接続で連携させるところまでを扱います。共同研究でコードをやりとりする土台にもなります。
Code Ocean
自分の環境で動くだけでは、研究成果としては半分です。Code Ocean はコード・データ・計算環境をひとまとめにして共有・実行できるプラットフォームで、読み手がその場で再現を試せます。論文に添えれば、査読者にも読者にも「本当に動く」ことを示せます。ステップ1〜4で整えてきた環境を、外に出す出口にあたります。
まとめ
Linux を用意する → 環境ごと再現する → 解析ごとに分ける → 履歴を残す → 再現可能な形で出す。派手さはありませんが、ここが固まっているかどうかで、この先の解析の進み方がまったく変わります。全部で30分ほど。他のワークフローで「手元で動かす」段階が出てきたら、ここに戻ってきてください。
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